モテるのは嬉しいけれど…

モテ女は得だが、あくまでこれは、女性が自分の目的のために男性を巧く利用する技を心得ている場合だ。そんな気もなく、ひとりの男性を愛し、彼ひとりに愛されることで満足している女性にとっては、モテる事態も、そうありがたくないかもしれない。

ただし、この世はよくしたもので、(私の知る限り)この類の誠実な女性は、学生時代には複数のボーイフレンドに囲まれていても、結婚後は徐々に「モテ」オーラが消え、やがて小太りの中年オバサン(マダムといった感じではなく、官能的要素皆無の女性)と化していることが多い。まあそれが、彼女らの、幸せな結婚生活の証ともいえよう。

いっぽう男性は、女性ほどにはモテることで得な人生を歩めるわけではあるまいと思われるのだが、やはりモテ願望を持つ男性は多い。

そこでさらに、先の質問「モテる男性って得ですか?」を、モテそうな男性に会うたびに浴びせてみた。(だって「モテない男」にこの問いは残酷すぎるから。)

これに対して返答の第一声は異口同音に、

「僕はモテませんよ」

で、本当にモテるのか、あるいは私が思うほどにはモテていないのかは、その発言の続きでだいたいわかる(ような気がする)のだ。

まず、予想に反してたいしたことのない男は、「そりゃ得ですよ。嬉しいじゃないですか」と、先に紹介した熟年紳士と同じく、手放しで百パーセント肯定するきらいがある。

それに対して本当にモテている男性は、嬉しいと同時にうっとうしさも経験しているので、「楽しい部分もあるけれど、面倒なこともある」と、ちゃんと現状認識ができている。

さらに、「フラれるよりフルほうが辛い」なんて言い出したら、もうこれは正真正銘のモテ男だ。

「男性社会では男同士の嫉妬も強いから、へ夕に女性にモテていると、『アイツ、ろくに仕事もできんくせに』と、睨まれて損することのほうが多いかもしれんなあ」とは、某一部上場企業副社長。いかにもモテそうなロマンスグレーのオジサマだ。

「でも、僕がモテるのは肩書きのおかげでし。」とは謙虚だが、あのねえ、モテない男はどんな肩書きがあってもダメなのよ。それに男性の場合、肩書きなしでモテるのは、せいぜい二十代までだ。

ともかく、モテる男は、男性社会では歓迎されないというのは、すごくよくわかる図式だ。とくに上司が「モテない男」なんかだったら、いったいどんな目に遭わされるやら。

「英雄色を好む」というが、それはあくまで「英雄」だからモテてもOKなのであって、そうでなければ、仕事にまでイチャモンがつけられかねないのだ。

モテ男は、くれぐれも御用心あれ。そしてモテ女だって、「純愛」というワナにはまるかも。